公開日2023.3.31

不用品回収業者にぼったくられたら?事例や対処方法を紹介

家具の買換えや引っ越しなどで出た不用品の処分はどうしていますか。その方法はいろいろありますが、不用品回収業者の中にはありえないほどの高額な費用を請求してくる悪徳な業者も存在します。そのイメージから、利用することをためらってしまうという方もいるでしょう。ここではそんな悪徳不用品回収業者によるぼったくりについて詳しく理解し、快適に利用するためのポイントを紹介します。

なぜぼったくり不用品回収業者が多いのか?

不用品回収業者によるぼったくり案件は後を絶たず、毎年150件を超える被害が報告されています。なぜぼったくり不用品回収業者はなくならないのでしょうか。

まず、不用品回収を日常的に利用しているという方はあまりいないでしょう。家具を買い替えたときや引っ越しなど、たまにあるイベントのタイミングで依頼する方がほとんどです。そのため相場の把握が難しく、それが適正な価格なのかどうか判断するのが難しいことが、不用品回収によるぼったくりがなくならない要因となっています。

 

さらに、家を知られているため通報後に嫌がらせをされるのではないかという恐怖から、ぼったくりが発覚しても通報せずあきらめてしまう方も多くいます。それも悪徳不用品業者によるぼったくりが減らない要因のひとつです。

とくに自分で処理できない高齢者や、早く処分したいという思いがある人は狙われやすく、高いと思っても処分することの煩わしさから、そのまま支払ってしまうケースも珍しくありません。

 

不用品回収業者にぼったくられた事例集-どんなぼったくりがあるのか?

悪質な不用品回収業者は、あの手この手を使って高額料金を請求してきます。では実際にどんな手を使って利用者に高額な費用を請求するのでしょうか。ここではよくあるぼったくりの事例を紹介していきます。

 

事例①作業日当日に見積もりにはなかった追加料金を請求された

一般的な流れとして不用品回収業者は、最初に見積もりを掲示してきます。しかし作業当日に見積もりに記載されていない高額なオプション料金を上乗せして請求してくることがあります。具体的には、階段や狭い道などでの難しい運搬料金、リサイクル料金、不用品が多かったなど、さまざまな名目があります。作業後に請求してくるため、払わざるを得ない状況に追い込まれます。

 

事例②作業前の告知なく作業完了間近に高額な金額提示をされた

作業前には一切料金の提示がなく、作業が終わる間近になって高額な料金を請求してくる業者もあります。格安や無料とうたっている業者はこのパターンが多く、注意が必要です。

利用者も格安や無料ということで、事前に料金の告知がなくてもとくに気にせず作業を依頼してしまいます。しかし一部にかかる費用が格安や無料なだけで、それ以外のところでは料金が発生しているとして、事前告知なしに作業完了後に費用を請求してきます。

 

事例③突然トラックに関することで高額な追加料金を請求された

不用品を積むトラックに関しても、いろいろな理由をつけて見積もりにない高額な追加料金を請求してくるところもあります。「トラック1台に積み放題」という料金設定をしている業者は多いですが、悪徳業者は事前には積める量をはっきりと説明せず曖昧にしておき、作業当日になり突然積載量や大きさなどに問題があるとして、高額な費用を追加してくる場合があります。

 

事例④即日対応についてありえない金額を請求された

多くの場合、事前に予約をして後日回収を依頼しますが、どうしても不用品を今日中に処分しなくてはならないような場面もあります。そんなときは、連絡したその日に回収にきてもらう即日対応を依頼することになります。

急な依頼のため普通よりも多少高い料金がかかってしまうのはある程度仕方がないと思っていても、明らかにその予想を上回る高額な料金を請求してくるケースもあります。

 

事例⑤見積もりを依頼しただけで料金を請求された

見積もりに関しても、ぼったくられる事例があります。見積もりや相談をしただけで料金を請求されたり、無料見積もりといいながら勝手に作業し始めてその分の料金を請求してきたり、見積もり後キャンセルしたらキャンセル料を請求してきたりといったことがあります。回収予定日の1週間前より前であれば、キャンセル料が発生することはありません。

 

事例⑥提示金額から値引きすることで安く見せる

値引きをすることで安いと思わせてぼったくるケースもあります。最初にかなり高額な料金を掲示して、そこから値引きすることで安いと勘違いさせます。

値引き後の料金もかなりの高額なのですが、ぼったくられているという意識をあまり感じさせない功名な手口です。

 

不用品回収でぼったくられてしまった場合の対処法

悪質な不用品回収業者は、さまざまな手口を使いぼったくろうとしてきます。そのため、注意していても騙されてしまうかもしれません。そんなときでもあきらめずにしっかり対応すれば、お金が戻ってくる可能性もあります。

ここでは、不用品回収でぼったくられてしまった場合の対処方法について紹介していきます。

 

対処法①クーリング・オフができるか調べる

「クーリング・オフ」とは、契約を申し込んだり締結した場合でも一定期間内であれば無条件で契約の撤回、解除ができる制度です。手続きは書面または電磁的記録で行います。ただ適応されないケースもありますので、まずはご自身の契約が該当するかどうか調べてみましょう。よくわからないときは消費者センターへ相談すると、クーリング・オフが適応できる取引かどうか、手続き方法や書面の書き方など丁寧に教えてくれます。

関連リンク:https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html

 

 

対処法②消費者センターに相談する

各地域に設置されている「消費生活センター」でも相談できます。この消費生活センターは全国に約800か所設置されていて、不用品回収業者のぼったくりなど消費に関するさまざまなトラブルの相談に無料で乗ってくれます。もし近隣の消費生活センターがわからないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると最寄りのセンターを案内してくれます。

 

対処法③弁護士に相談する

上記の方法でも解決できない場合には、弁護士に相談するという方法もあります。法的手続きに則って弁護士が不用品業者との交渉やその他機関とのやり取りを行ってくれるため、安心して任せられます。その際に見積書やメールなど、証拠となるものがあると有利になるため、捨てずに保管しておきましょう。

ただし当然ながらそれなりの費用がかかってきますので、効果を充分に検討したうえで任せるか判断するようにしましょう。

 

対処法④警察に相談する

不用品回収による高額請求のぼったくりは「料金を払ってサービスを受ける」という民事行為のため、警察は原則介入することができません。しかし脅迫や恫喝・暴行、高く売れそうな物品を勝手に持ちだして売却し利益を得たりという行為があった場合は、刑事事件として警察が介入することができます。またすでに同じ業者から被害を受けた方が相談をしていて、その業者が捜査対象となっている可能性もあります。介入してもらえるかわからなくてもためらわずに、思い当たる節がなくてもまずは相談してみましょう。

不良品回収でぼったくられないためのポイント

不用品回収におけるぼったくりを防ぐには、利用する側が業者を見分ける力を身につける必要があります。悪徳な不用品回収業者と優良な不用品回収業者はどこに違いがあるのか、どのように見分ければいいのか、注目すべきポイントを4つ紹介していきます。

可能であれば、業者を選ぶ際にはゆとりをもっておくようにしましょう。慌てて選ぶとつい基準が曖昧になり、判断が鈍ってしまう可能性もあります。引っ越し等の予定が決まっている場合には、早めの行動を心がけるようにしましょう。

 

ポイント①相場料金を把握しておく

一番のポイントとしては、一般的な不用品回収の相場を把握することです。そこを知らなければ、掲示された料金が妥当かどうか判断することができません。

不用品回収の料金体系としては、大きく分けて2種類あります。品目単品ごとに回収してもらう「単品回収」と、トラック1台に積み込む「積み放題」です。

回収してもらう品目の相場や、トラック台数や大きさ+作業員人数の相場など、不用品回収を依頼する前にある程度把握しておきましょう。代表的な相場としては以下のようになります。

  • 単品相場

・冷蔵庫、テレビ、エアコン等…3,000円~

・トースター、電子レンジ、炊飯器等…1,000円~

・タンス、食器棚等…3,000円~

・扇風機、空気清浄機…500円~

・パソコン、プリンター…1,000円~

  • 積み放題相場

・軽トラ1台(約350㎏)…10,000円~

・2トントラック1台(約2,000㎏)…25,000円~

時期や業者によって料金相場は異なりますので、都度ご確認ください。

 

ポイント②複数の不用品回収業者で見積もりをとる

次に大切なのが、複数の業者から見積もりを取ることです。料金相場はその時々で変化します。複数社の見積もりを比較することで、そのときの適正価格が見えてきます。また作業内容によっても違いが出てきますので、内容も合わせて比較検討しましょう。

 

ポイント③無料で回収する業者には注意する

無料回収をうたっている業者には注意が必要です。すべての業者が悪いわけではありませんが、必ず処分費用がかかる不用品処分の回収を無料で行っているということは、正規な処分を行っていない可能性があります。前記したように一部費用が無料なだけで、それ以外のサービスには別途費用がかかり料金を請求されることもありますので、そういった業者は警戒しましょう。

 

ポイント④書面・記録を残しておく

不用品業者とのやり取りを書面・記録に残しておくようにしましょう。後にトラブルとなったときも、強力な証拠となります。これ以上の料金は請求しない旨や、作業の内容などを見積書に記載してもらったり、口頭のやり取りをボイスレコーダーで録音したり、業者のサインが入った請求書を発行してもらったりと、残せるものは残していきましょう。もしそういったことを嫌がるようであれば、悪徳な業者である可能性がありますので避けるようにしましょう。

 

おわりに:初めての不用品回収なら不用品回収業者の徹底比較ナビを活用しよう

ここまで不用品回収によるぼったくりについて解説してきました。悪徳な不用品回収業者をなくすのは難しく、不用品回収によるぼったくりを防ぐには利用する側が賢く判断していかなくてはなりません。

しかし不用品回収は、生活するうえで多くの人が利用することです。上手に業者を使えば、家まで回収に来てくれてとても便利です。利用したいけれど初めての利用で不安という方は、不用品回収業者の徹底比較ナビや、業者のホームページ、口コミなどを参考にすると、安心できる業者に出会えるでしょう。

高額な費用を請求してくる悪徳業者はほんの一部で、多くは親切で優良な回収業者です。上手に選んで活用しましょう。